それは100MBくらいある巨大な画像をWebサイトで表示したいというオーダーだった。
今ならそれくらいあっても1枚で許されるか…?と思ったが、選択肢が色々増えたご時世だからこそ制限付きの4G回線しかない人もいるわけで、画像何度も見たらパケ死なんてことになったら笑えない。
そして細かいところまで見れるようにその超巨大な画像を拡大表示もしたいと言う。
そうなるともうGoogleMapのようにするしかないかなあ?と思ったがしばらくやってない芸当だったので最近どうなってるかがよくわからないのだった。
GoogleMapのAPIが出た時は無意味に地図画像を置き換えて遊んでたものじゃがのう…。
DZI画像生成
GoogleMapのようなやつ、もとい「画像をタイル分割して拡大できるようにするやつ」はマイクロソフトが開発した Deep Zoom というフォーマットである。
でかい画像を拡大率ごとに分割生成するので必要な所だけ読み込むことができる。
Deep Zoom Image でググると色々でてくるのだが、なにぶん流行が終わっているので結構死んでるやつもある。
表示先のWebサイトがGulp使ってたので、Node.jsで動かせるもので探してみた結果、Sharp に落ち着いた。
installしたらGulpタスク書きまして、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 | const gulp = require( 'gulp' ) const sharp = require( 'sharp' ) gulp.task( 'dzi' , async () => { sharp( 'dzi/src.jpg' ) .tile({ size: 512, }) .toFile( 'dzi/output.dz' ) .then((info) => { console.log(info) cb() }) . catch ((err) => { console.error(err) cb(err) }) }) |
コマンド叩けば画像生成してくれる。
1 | gulp dzi |
これだけで超でかい画像からタイル生成してくれる上に処理が高速だからはちゃめちゃに楽だった。

DZI画像の表示(OpenSeadoragon)
GoogleMap APIだと左下にGoogleのロゴが表示されてしまう。
消したら怒られそうなので今回は使うのをやめた。
DZI表示ライブラリを探してみると、多くは2014〜2016年ごろで更新が止まっていて、
現状今もメンテされて生きてるのは OpenSeadoragon くらいだった。
表示されるコンテナ要素とスタイルを用意。
1 | < div id = "dzi" class = "openseadragon" ></ div > |
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 | // SCSS .openseadragon { width:100%; display: grid; &::before { content: ""; display: block; padding-top: 56.25%; grid-area: 1/1; } & > .openseadragon-container { grid-area: 1/1; } } |
スマホの場合は16:9だと表示エリアが小さくなりすぎるので、画面サイズに合わせたheightにしておく方がよかった。
用意した要素に対してOpenSeadragonのinitializeをする。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 | OpenSeadragon({ id: "dzi" , prefixUrl: "/assets/dzi/" , showNavigator: true , tileSources: [ "/assets/dzi/output.dzi" ], defaultZoomLevel: 1, minZoomLevel: 1, visibilityRatio: 1, constrainDuringPan: true }); |
オプションの指定はどういう表示をしたいかによるけれども、この設定は余白の無地背景を表示しないものである。他にもかなり細かく指定できるしプラグインも色々あるので大体の要望には答えられそうだ。
実働サイトはこちらだが、いずれ消えると思う。
おまけ:モザイクアート画像生成
デザイナーがモザイクアート作るのにすごい時間(3営くらい)かけてて、専用ツールでシュッと作れるのになんでそんな時間かかるんやろ?と思って聞いたら、ググって出てきたPhotoshopでモザイクアート風の画像を作るHowToの通りに5000枚近いサイズの異なる画像を手作業で並べて調整していたのだった。
Photoshopでモザイクアートを作るというHowToの多くは、素材になる大量の画像を適当に並べた上でアートにしたい画像をオーバーレイで重ねて色味を変える方法だ。
素材にする画像の色を大幅に変えてる時点でモザイクアートとは言えないし、暗すぎたり明るすぎたりして元の画像が認識できなくなってしまうものがあったりしたので、流石にこれではまずいと思ってAndreaMosaicを使ってもらった。

設定でMosaic Sizeをでかくするほど完成画像サイズもでかくなる。
タイル枚数次第なところもあるが、最高値の200 megapixelsにしとけば大体おkだと思う。
結果Photoshop手捏ねモザイクアートに比べると、そうそうこういうのだよねって感じの画像が出来上がったので、Photoshopで作るなんちゃってモザイクアートのHowToはすべて滅んで欲しいと思った。
もし今後他のソシャゲでメモリアルモザイクアートを作るところがあったら、モザイクアート生成ツールとDeepZoomによる表示を利用してみてはどうだろうか。
おまけ2:Sharpによる画像リサイズ
4000枚くらいの画像を同じサイズに変換するため、ちょうど使ってたSharpとGulpでタスクを作った。分割せずにやったら2800枚くらいでMBPが落ちたw