FF14で新しい高難易度コンテンツが実装されるたびに、ユーザーの間では「どの固定チームが一番早く攻略をするか」という競争が起きている。
ワールドレースと呼ばれているそれはコミュニティから自然発生した競争なので、スクエニ側の協力は一切ないのだけれど、上位3チームが出そろう頃に公式ツイッターで祝福ツイートがされていたので、存在は知られていたし、公式アカウントで祝ってもらうというのがゲーム外で得られる最高の名誉になっていたと思う。
いつからかTwitchやYouTubeで攻略の様子を配信するチームが表れ、コンテンツに触れてないプレイヤーもリアルタイムで観戦できるようになった。そんなご時世だからか、今回の問題の発覚の仕方から炎上する様は、録画・配信環境が成熟した今ならではといった感じで個人的にとても興味深かったし、前回の絶龍詩以上に色々な問題が勃発していたので、ここに内容を残しておくことにした。
大体の出来事
私が見たり調べたりした範囲でしかないので間違ってるところもあるかもしれんけど、大体の騒動を時系列で並べてみた。
日時(JST) | 出来事 | 補足 |
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2023/1/24 19時 | 絶オメガ検証戦リリース | |
2023/1/25 | 最初のチームがフェーズ4に到達 | Neverland |
2023/1/26 | 複数のチームがフェーズ4~5で停滞 | |
2023/1/27 | 複数のチームがフェーズ5 85%前後で停滞 | MogTalkの画像 |
2023/1/27 18時頃 | フェーズ5~6と終了カットシーンがリーク | YouTubeは削除済み 他へ転載されたものは残っている |
2023/1/30 16時 | 犬丸のぞみ氏が荒らしを報告 | 当該アカウントは削除済み チートクリアするスクショを延々ツイートしていた |
2023/1/31 3時頃 | UNNAMED_ がクリアをツイート | 当該アカウントは削除済み |
2023/1/31 5時頃 | ズームハック 絶オメガ 動画が公開される | 動画アップロード日は1/30 |
2023/1/31 12時頃 | Krileのアーサー氏がオフストリーム攻略についてツイート | 配信中に言及している人は他にもいた |
2023/1/31 16時頃 | OneAceのeis氏がキャラデリをツイート | 海外勢にデジタル切腹と呼ばれる |
2023/1/31 19時頃 | OneAceのHaruglory氏がお気持ち表明配信 | 泣いてなかった |
20231/31 | kinda awkのMazz氏がツール使用・不正行為疑惑について発信 | 流出した動画について 攻略配信は続行 |
2023/2/1 0時頃 | ヨシダが「絶オメガ検証戦における不正行為について」をリリース | 配信を開始するチームが増える |
2023/2/1 4時頃 | UNNAMED_ のメンバーが 処罰を受けたことをツイート | アチーブ・称号削除、武器廃棄 |
2023/2/1 16時頃 | UNNAMED_のサポートメンバーが謝罪文をツイート | 当該アカウントは削除済み 画像はこちら |
2023/2/1 16時頃 | Neverlandがクリアをツイート | 配信なし |
2023/2/1 19時頃 | Aether Group 3がクリアをツイート | |
2023/2/2 | Neverlandがクリア動画を公開 Aether Group 3がクリア動画を公開 | |
2023/2/4 0時頃 | eis氏が質疑応答配信 | |
2023/2/4 | Asmongold氏が騒動について配信 | |
2023/2/5 20時頃 | OneAceがメンバー変えて復活配信 | |
2023/2/7 3時頃 | GShade開発者がツール対策として強制再起動するプログラムを仕込んだことが発覚して炎上 | 要約してる人のツイート 再起動してる様子のツイート |
ズームハック動画が出る以前の1/27に、5~6フェーズの全ギミックとカットシーンがリークされるという事件がまずあったのだ。
無敵化したキャラでピョンピョンしている動画だったので、クリア時カットシーンの不正公開についての項で吉田が言及したものとは別の環境/手法で作成された可能性が高い。その関係者かどうかは不明だが、犬丸氏みたいな絶攻略中やフォロワーの多いアカウントへチートでクリアしたらしいSSをリプするTwitterアカウントが存在していた。
リーク動画が出たのが多くのチームがPhase5で停滞していた1/27というのが本当に悪質極まりない。犯人はスクエニから賠償請求されるなどして社会的に死んで欲しいものだ。YouTubeにうpされた動画自体はすぐに消えたが、転載された動画は未だ残っている。ニュースサイトが報じたから拡散したので、動画は見てなくてもリークがあったことは知ってるという人は少なからずいるだろう。そうして温まってた場に出てきた新たな火種、それがUNNEMED_がクリアした後に出たズームハック動画だったわけである。
レースとそれにまつわる騒動によって、あちこちで議論が巻き起こってて見てる分には面白かったんだけど、昔からPCでゲームやってる身としては、アーサーがツイートしたように、純粋に攻略してると信じてる人の多さに驚いた。
どれならセーフ?論争
騒動の渦中でよく目にしたのがどれがアウトでどれならセーフ?みたいな話。
これは二次創作と同じで、いちいち運営があれはダメこれはヨシなんて言及できるわけがなく、問われたら一律ダメとしか言えないのだ。結局のところ、何を使うかどうかはプレイヤー次第にしかならんと思うのだけど、ある程度判断できる知識というのを持っておけば危うきに近寄らずは出来ると思う。
私は外部ツールっていうのには大きく分けて2つあると考えている。
1、ゲームプログラムに干渉しないもの
2、ゲームプログラムに干渉し、データを改造・改ざんした結果、製作者が意図してない状態を起こすもの
例を挙げると1がDiscordで2が今回騒動になったゲーム内仕様を超えて画面を縮小できるツールである。
後者はチートと呼ばれる。
ゲーム出すと必ずチートされる。って言うのはゲーム制作者からしたら常識で、宿命なのだけど、昔からPCで遊んできた身からすると、今はスクエニが頑張ってbotを目立たない状態にまでしたから、そういうことができると知らない人が増えたのかなとも思う。
(新生出て数年はとんでもない動きをしてるギャザラーとか、何十体も連なって動く黒魔導士なんかが普通にいたんだわ…)
ゲームに干渉して都合のいいように改造するという意味では、bot作るのもUI改造も無敵になるのも縮小限界変えるのもみんなチートなもんで、そりゃそれに該当するものが数万人が注目している表舞台に出てきたら騒ぎになるのは当然である。絶龍詩の時に他メンバーのバフ残り時間が見えたり、滑りうちのセーフラインを見えるようにしたUIが映ったクリア動画をNeverlandが出して騒動になっていたが、あれも同じツールのプラグインだった。広めたくないので名前は伏せるが、本体は2018年リリースで、プラグインによって機能が追加できるため、内容はピンキリあるのだが、ゲームプレイの在り方を根底から覆すようなプラグインが普通に見つかる有様である。本体の開発者は不正行為を生むプラグインの作成を明確に否定しているが、ならAPIを提供するなよ…とrepo見ながらもやもやしてしまった。
Reshadeは2015年にリリースされた他のゲームにも対応している汎用ツールで、GShadeはGPOSERSというFF14コミュニティが作成したFF14向けReShadeである。DirectXをゲーム内から操作することによりシェーダーや被写界深度を自由に変えられるので、ゲームプログラムに干渉しているか否かという基準で見ればチートである。PvPがメインのゲームにおいては視界を良くすることでマウントが取れてしまうので、アンチチートプログラムで弾くなどで禁止しているゲームが多いのだが、FF14においては特に制限がかけられておらず、より多くのいいねを貰えるエモいスクショを撮るため、Ulikeのようなカメラアプリの感覚で使っているユーザーが多く見受けられる。
そしてACTは、Advanced Combat Tracker という名前が表すように、元はEver Quest II用に開発された、戦闘データをトラッキングするためのツールで、FF14用のプラグインは2014年(アレキ起動編頃)にリリースされた。ゲームが出すログデータを解析することで、ダメージやヒール量を計算したり、イベントに反応させて音を鳴らすといったことができる。プラグインによって機能を追加できるという仕様を同じく持っているが、ACTにゲーム本体へ干渉するAPIは備わってない。データ表示はゲームの画面に被せる格好になり、表示されたデータを見てどうにかするにはプレイヤー側に知識が必要なため、良い記録を出すには個々の能力が問われる。データを集められるという性質上、他者を誹謗中傷するときのソースに使われることが多く、外部ツールが話題になる度名前がでてくる。
このような仕様、やれることの違いから、ACTやReShade/GShadeはセーフで件のツールはアウトだと考えてる人がいるわけですな。
配信で潔白が証明できるか?
じゃ配信してれば潔白が証明できるかというと、うーん…となってしまう。
配信やったことがあればわかると思うんだけれども、ゲーム外に配置できるUIは映さない設定が可能だし、音声すらアプリごとに設定が可能であるため、ACTに関しては使ってても使ってない振りができる。
ズームハックのようなゲーム動作を改造するものは不可能で、映り込みは避けられないと思うのだが、グラフィック面だけなら配信の通信パケットには載せないという仕様にしたら可能かもしれない。
まあ疑って見てたらキリがないが、ずっと見てれば分かることもあるわけで。
怪我の功名というべきか、ズームハックの動画が出た以降、潔白を証明するためというコメントを出して配信してるチームが増えていた。見守り勢としては配信するチームが増えて嬉しかったんで、次の零式なんかでもお願いしたい気持ちだ。
私がOneAceの配信を見てたのは「彼らが配信している攻略中の雰囲気が良いこと」に尽きるので、引き続き見守り隊をしていくつもりである。
気づいた…?
ズームハック動画のうp日がクリア前日な所がもうね……
参考リンク
- Spoiling all the fun: FFXIV Omega Ultimate raid hardest mechanics have leaked
- Final Fantasy XIV’s Omega Protocol Ultimate Race to World First live tracker
- Omega Protocol P5 trios in cheat PoV
- Popular Final Fantasy 14 Mod Trends on Twitter After Developer Adds Malware to Program
- Gshade updates discontinued ;-;
- 【FF14】 チートを使って絶レイドのギミック映像をリークさせる者が現れる
- 『FF14』において外部ツールは“一切禁止”である旨が改めて告知される。外部ツールを使用した「絶」最速クリア者の動画は削除
- 人気配信者Asmongold 「FF14」の外部ツール問題に言及。「『許可した方が良い』とはならない」
- Soviethammer氏のクリップ