ファイナルファンタジーXV クリア後レビュー

私は過去に何度もそのゲームを遊びたいがためだけに本体も同時購入までしているんですが、
FF15に関してはPS4のキラータイトルになりました。
今のところPS4購入して損をしたとは思ってません。
むしろお祭り状態の波に乗るためにもっと速く買っておくべきだった。

※ネタバレあります

ストーリー

ゲーム単体だけではストーリーを完全に把握することはできない。
メディアミックス作品であるためなのか、映画などの他コンテンツを見ている前提で作ってあるような印象を受けた。
とはいえ、それを理解していたとしてもゲームで説明されるべきところが説明されていなかった、説明があってもとってつけたような入れ方でないがしろにされていると感じてしまう、という不満がついてまわった。

メインストーリーについてはFFナンバリングタイトルでは定番の『クリスタルに選ばれし光の戦士が世界を救う』というのがベースで、ゲームの進行に合わせて少しずつ状況と目的を見せてからラスボスが判明する、FFシリーズずっとやっている人なら御馴染みのものだと思う。
1章で主人公が旅立ち、2章で国が奇襲されてオヤジが死に、3〜4章で状況の把握、5~9章で各地に赴いてすごい力を得、10〜12章でラスボス判明、13〜14章でクリスタルの力を得てラスボスと対決。
登場する召喚獣はタイタン、ラムウ、イフリート、シヴァ、リヴァイアサンと御馴染みの面々。
ラスボスは永遠に生きてる存在。
FFらしさの要素は押さえてある。

説明不足

流れは王道なのに、全体的に説明不足なところが多い。特に9章からストーリーが駆け足展開になって、何故そうなったのか疑問が常につきまとうようになる。
感情移入しようにも、至る所に「え、なんで?」「何が起きた?」と思わされることが多く、ストーリーの理解が追いつかない状態でそれどころじゃなかった。
ラストの14章ではいきなり10年すっとんで主人公とお供は全員老けてるわ、帝国滅んでてアーデンだけになってるわ、ヒロインのアニキまで死んでるわという展開で完全に置いてけぼりにされてしまった。

テーマに父と息子を掲げているのにオヤジが最初しかでてこないし、オヤジが死ぬ話がムービーと電話連絡だけっていうのがなんとも物足りない。そりゃスマホがあったら訃報もLINEで連絡する時代だろうけども……たまたま国に帰っていた所に帝国攻めてきて奮闘するも父は死ぬ(クエストの成功度により即死or瀕死で展開が分かれる)……みたいなベタすぎる展開でも、死という重要なネタをこんなにあっけなく見せられるよりはよかったと思う。
まあそのへんは映画でやってるからゲームで除いたんだろうけども、主人公が奮起するきっかけの1つとなるエピソードをあっさり通過するので、やはり感情移入は難しい。
私は寄り道しまくりプレイだったので「モブハンやってる間にオヤジ死んだのか」と妙にドライな感想を得てしまった。

ヒロインの兄が敵の重役ポストで登場するが、これもいつの間にか死んでたり、シガイ化してたり、なぜか主人公にオヤジの剣を返そうとしたり、説明不足の固まりのような存在になっている。
ムービーにはちょいちょい出てくるけど死ぬシーンやシガイ化シーンはない。
イグニスの下り削ってここを盛った方が、指輪しかない状態で父王の剣を得たときのありがたみがマシマシだったんじゃないかと思うんですけどね。

そういえばヒロイン自体もなんかいきなりアーデンに刺されてたなあ。あれは一体なぜあのタイミングで刺されたのか、あの時刺さなければならない理由があったのか?ただアーデンが刺すシーンをムービー中で主人公と同じ立ち位置で眺めるだけで動機の描写はなかった。

その話本当に必要?

イグニスが盲目になる展開。白杖の状態で連れて歩くのがもうね……剣と魔法の世界で白杖って違和感しかないし、なぜそんな重傷を負ったのかの説明が一切ないから単純にお荷物になってしまったとしか思えなかった。だって大体の傷はエリクサーで治せるじゃん?
主人公も同じことを考えているような選択肢が出て来たりするので、キャラクターと同じ感情をユーザーに植え付けるという思惑があったのならそれは成功していると言えます。でもその後は目が見える状態とさほど変わらない感じになってるし、果たしてあれはエピソードとして必要不可欠なものなんだろうか?と疑問でしかない。
でも10章でキャンプをすると缶詰かカップ麺になるんだけど、それで「ああやっぱりイグニスの手料理最高だよな」と思ってしまいました。それまで実際に料理食べてるわけじゃなくて美麗な飯テロ画像見続けただけなのに、もう食べられないと思ってしまう絶望感があった。

実は帝国生まれだったプロンプトの暴露。
お前一番セキュリティランク高い扉空けられるなら鍵探してる時言えよ!手間減らせただろ!ってね…ぶち切れですよ。後ろめたさからなかなか言い出せないっていう感情については理解できるけどタイミングがね。それまでにそのことについて葛藤するそぶりも特にないし、酷いダンジョンの後だから怒りの方が勝ってしまいました。

最後ふたりが結婚式挙げてるところ。
結婚式はあれだけ劇的に死ぬ演出ストーリーで展開しといてエンドロール終わった一番最後に出てきたもんだから「お前ら生きとったんかい!」という突っ込みを見てる最中にTwitterでしてしまった。
あれが妄想にしても蘇生にしても、入れるべきではなかったと思う。結婚式やりたかったのなら素直にそういうエンドでいいじゃないか。

メイン2人が死ぬ展開はシリーズとしては初になるのかな。ヒロインだけ死ぬ展開は過去にも例があったけど、主人公まで死ぬとは思わなかった。私はハッピーエンド厨って程ではないけど、FFシリーズにおいては『選ばれし光の戦士が世界を救う』というお約束があるから最後はみんな幸せになってくれる展開を期待してしまうんですよ。なのでノクトが童貞のままおっさんになって死ぬなんて(´・ω・)カワイソス って思ってたらエンドロールの後で結婚式始まってファッ!?となったわけです。フェニックスの尾使ったのかな…とか考えてたら感動も薄れてしまった。

オープンワールド

旧FF14の伝説的なクソコピペオープンワールドもどきを見ているからか、景色にコピペが感じられないというだけでもう素晴らしいと思ってしまうボーダーの低さなんだけど、実際に旅行に行った様な気持ちになれる景観の美しさは素晴らしい。釣りをしていても景色が綺麗というのはいいものです。

一方ダンジョンについてはRPGあるあるの1本道+ギミック+遠回りで、雰囲気はそれぞれ違っていいんだけど攻略するとなるとワンパターンさが凄かった。リアルなだけに余計ゲームの都合で作られたものが気にかかってしまうというか。

最後のオルティシエや母国にフィールドがないのは時間が無かったせいだろうか?
もし水都オルティシエ周辺にもフィールドがあり、船に乗って自由に散策できて、ラスボス倒した後に老けた状態でインソムニア周辺が散策できたなら……進んだ先が1本道であることにがっかりはしなかっただろうし、そこでまた入り浸ることが出来ただろうな。

バトルシステム

  • うまいことやればやるほど爽快感を得られる作りは○ 特にシフトとパリィは気持ちいい
  • ガード→パリィ、マップシフト、ファントムソード、召喚など画面にガイドが出るのは親切
    召喚やマップシフトの長押しは分かりにくい
  • 戦闘場所と敵の大きさによっては途端にクソゲーと化すのがつらみ
    敵がでか過ぎる→キャラ小さくなりすぎて見失う
    敵が多過ぎる→キャラ敵と重なって見失う
    戦闘場所が狭過ぎる→カメラが押し出されて視界ゼロ
    戦闘場所が樹木だらけ→敵も味方も見えなくなる
    敵と味方の間に障害物→味方AIが障害物を避けようとしない
    カメラワークの酷さや自キャラを見失う要因が減ったらもっと戦いやすくなると思う。
  • 魔法が味方にも当たる仕様は斬新で面白い。
    わざと当てて苦痛にうめく様子を眺めたりw
  • 味方3人が死にまくる→手動回復でバトルテンポ下がるので
    回復アビリティの解放コストはもっと少なくして序盤に取れるようにしてもいい
  • 敵が強いとワンパンで死ぬのでPoTゲーと化す
    防御上げてダメージ減らすのが実質不可能
  • △と○ボタン連打するだけの最終決戦

最初にチュートリアルがあったり、キャンプでトレーニングできたり、今のゲーム事情を反映した丁寧な導入があるお陰でさほど迷わず始められたものの、マップシフトがなかなかできなかったり、召喚がなかなかできなかったり。出来ない原因が長押しであることに気付くまでに時間がかかった。

バトルの基本システムは素晴らしいから余計にストーリーのギミックでそれを封じられるのはストレスを感じた。基地への潜入がシフトキルしか出来ないから始まり(スネークより派手に皆殺ししたい)、悪名高き13章の指輪縛り…。
まあその指輪も後のオヤジの剣入手することで武器ありがてぇーってなるんだけど、仕様的な意味で指輪弱すぎるのでパッチでの強化に期待せざるを得ません。

属性と弱点

魔法は火雷氷の3属性、武器は7種、それぞれに強弱関係あるんだけど、武器に関してはあまり恩恵を感じられなかった。単にその時一番攻撃力高いのが強いなっていう印象。逆に魔法は効果が目に見えて顕著なので敵の弱点属性に合わせて使っていた。
モンスターの弱点はシリーズの伝統を受け継いでいるので、経験者ならその知識で有利に戦える。
ライブラが魔法としてではなく使えるのは便利だと思うが、上記の理由からライブラを気にしてバトルすることはあんまりなかった。

13章以降

先にクリアした人に「13章ヤバい。回復アイテムたくさん持っていけ」とだけ言われいたので、ほぼカンストまで買い込んで挑んだけどキツかった。キツいと思ったのは、

  • 同じマップと同じ敵、同じ攻略を強いられるエリアが延々続く
  • 1本道でたまに分岐するだけなのに異常に道程が長いマップと遠回りさせるギミック
  • 指輪そのものの攻撃力の低さ(代々伝わる装備なのに弱過ぎぃ?)
  • 移動速度の遅さ(ジャンプの方が速い)
  • 仲間の封印

武器の封印よりも最後仲間が一切絡んでこないのは腹が立ちました。だってAPめっちゃ使って仲間強化したのにそれがまさか最終決戦で使えないとは思わないじゃないですか。まあそこまで強化してなくても勝てる仕様とレベルデザインであるとしても、王になるなら仲間捨てる覚悟くらいないとアカンでーという展開に了承の感情ではなく「仲間後回しにしてアクション強化しとくんだった!」って思ってしまったから……。

FF15は全体的にリアリティが凄い。だからこそ余計にマップに関しては従来のRPGのように広さで時間を稼ごうとすればするほどリアリティが欠落していく。この13章以外にも基地や都市の構造で理不尽さが目をついたが、13章はそれが顕著だった。

とはいえこれらも「アーデン実は良いやつ?」というイメージから「アーデン絶対殺す」に変えるには必要なのかなあと思ったり。でもそういうのってストーリーで魅せて欲しかったよね。

キャラクター

プレイ前:歌舞伎町のホスト
プレイ後:水曜どうでしょう

戦闘服よりも私服の方がしっくり来るからずっと私服でプレイしてた。
プレイ前とプレイ後で一番イメージ変わらなかったのはグラディオで、他3人は予想と違ってたな。

<各キャラのイメージ プレイ前→プレイ後>
ノクト:真面目なお坊ちゃん →5月病にかかった新卒
イグニス:執事系インテリ眼鏡 →オカン
プロンプト:元ヤンのツンデレ弟分 →ポメラニアン
グラディオ:力持ちな皆のアニキ →オトン

この4人は外観も口調も最近の乙女ゲーっぽさがある。似てるキャラが容易に挙げられる。
どれも男性が考えて作ったとは考えられないタイプだしリアリティがない。だから男性ウケは悪いと思う。
では各所で囁かれている腐女子向けというのはどうかといえば、女に懸想中のキャラはかけ算から除外されるものなので、ルーナの存在とそれに対するノクトの感情がシナリオで描かれている以上、腐女子にもウケないんじゃないかと思う。

男4人で車で野宿だともうどうしても水曜どうでしょうに見えて仕方なかったので、これがリアリティのある男4人だったら完全に水曜どうでしょうになっていたはず。なので乙女ゲー風の4人組で丁度よかったかも?
着せ替え要素がもっとあったら楽しかっただろうなあ。
いっそ水どうとコラボしたらどうでしょう。スーパーカブ実装するとか。

サブキャラだとシドニーやアラネアの巨乳っぷり、好きです。
特にアラネアはいい姐さんぷりだし、技もちゃんと作ってあるみたいだからプレイアブルになるのなら遊んでみたい。
シドニーは車の運転のチュートリアルで指導者として助手席に座るなんてのがあってもよかったと思う。

ヒロインはローラに見えた。ストーリー上でもノクトの幼なじみで婚約者、10年くらい交換日記してて多分処女くらいの情報しかないし、退場が速かったので印象が薄い。

御馴染みのシド、ビッグス、ウエッジあたりも出てきてた。シドは最後まで武器改造とかでお世話になるんだけど、ビッグス・ウエッジはアラネアと組んでることもあって登場が12〜13章だけなので顔が思い出せない。

実はシヴァだったゲンティアナ。シヴァは殺されたという展開だったので見れないかと思いきや、変わらないセクシー衣装で登場してくれたのは嬉しかった。プロンプトの写真になぜか映り込んでるのは面白かった。ヒロインより印象に残ってる。

サブクエスト・モブハント

伝統のお使いクエ。最初はギル目的、最終的にはコンプリートしたい欲に駆られてメインそっちのけで延々と…。性質に合うのかもしれない。

モブハントはコンプ狙ってやっていたけど未だ達成できていない。
クエストが1個ずつしか受けられないのは面倒だと思う。車の移動はスキップできるけどローディングが地味に長いし、スキップ出来ない所はリアルに数分かかる。それをクエストの数だけ繰り返さないといけないというのは…。プレイ時間の何割かはローディング時間だろう。1地区あたりのクエスト数が豊富なわけではないから、移動で時間を稼いでいると言われても仕方ない。

サブクエで一番酷いと思ったのはコースタルマークタワー。
何度も何度もウルフマライターに当たって頭おかしくなるかと思った。
道中のランダムギミック含めて思い出すと未だに腹が立つ。

これだけサブクエが作れるのなら、説明不足になっているメインストーリーやキャラのひととなりを補完するものを入れておけばよかったんではないかと思うんですよね…。

釣り・料理・写真

釣りに関してはPS4の釣りゲー最高峰の出来と言っても過言ではないと思う。
多分釣りだけで30時間はやってるw めっちゃハマって図鑑埋めようと躍起になってた。
釣り場の景色もまた綺麗だから見飽きない。でも強い魚は1回釣ったらもういいかなってなる……現実の魚のように時間で弱ってこないから、最初から最後まで同じペースで集中してないと負けるので疲れるんだよね。

料理は上でも書いたけど「おにぎりきれい」が最終的には「イグニスの料理最高」になってた。実際遊んでると飯テロが続くのでお腹空いてくる。
レストランで食べたり釣りをしたり、町で食べてる人をみたり倒したモンスターの肉でひらめくのは自然だからいいんだけど、廃墟に貼られたチラシとか町に放置してある雑誌のようなくまなく探しまわらないとコンプできないのはちょっと萎えた。

PS4にはシェア機能があるから、ゲーム内で別途写真機能を設ける必要はないと思うんだけど、それをキャラクターが撮影したものとして用意するのは斬新だと思った。サブクエ消化などで旅の内容が単調になると写真も単調になるなんてリアルだし。

バグ

攻略開始が12月中旬と遅かったからか、ガーディナの海がバスクリン色になる現象しか見られませんでした。
でもバグ祭りは見てて最高に面白かった。

満足

  • グラフィック
  • ムービー
  • フィールドの景観
  • キャラクターデザイン
  • UI
  • バトルシステム(シフト、ファントム、パリィ、召喚)
  • 召喚したときの迫力と威力
  • 魔法や召喚を使った後に周辺が燃えてたり
    水場でブリザガ使ったら足が凍って動けなくなるみたいな細かい演出
  • 釣り
  • 料理
  • 写真
  • 音楽
  • 車のBGM
  • アンブラのお手

不満

  • バトル中のカメラワークの悪さ
  • バトル中の視界への配慮
  • バトル中の仲間AIの行動パターン
  • 1つずつしか受けられないモブハン
  • 同じセリフが延々繰り返されることがある(釣り竿降った時、車から降りた時など)
  • 13章ダンジョンとコースタルマークタワー
  • 10章以降のストーリー展開
  • クリア後、主人公とヒロイン生きてたならメインストーリー進めた状態で遊べるのかと思いきや決戦前に巻き戻して過去に戻るだけだったこと
  • オルティシエにフィールドがない。8章以降の1本道縛りが顕著でオープンワールドが死んでる
  • ロードの長さ(SSD換装してたら短くなるか?)
  • いつまでも弱らない魚
  • 通り抜けられない樹木

総評

★★★☆☆ 3.5

ハードを持っていて興味があるなら遊んでみてもいい。
グラフィック、景観、ムービーは宣伝文句の通り美しい。
釣りゲー、作業ゲー、コレクションなどが好きなら長く遊べる。
RPGはシナリオが命!だとクリアに近づくほど苦痛を感じるだろう。

根底にFFらしさはあるし、新しいチャレンジをしてるなという所も見られるが
それがファンが求めていたものとは別の角度に向いている。的を射ていない感じがある。

パッチとかDCとかで不足に感じた部分がが充実してきたら★4になるかも。

ファイナルファンタジーXV クリア後レビュー」への2件のフィードバック

  1. 通りすがり

    いいレビューだな~と途中まで読んで気づいたのですが
    これタイトルだとファイナルファンタジーXIVのレビューになってるんですけど
    ファイナルファンタジーXVのレビューですね

    返信
    1. Mistyrose 投稿作成者

      うわーありがとうございます。習慣って恐ろしい・・・

      返信

コメントを残す