コードギアス反撃のルルーシュ ロストストーリーズをアークナイツ歴2年の現役ドクターがプレイしてみた感想

3年ぶりに課金したいと思わされたアークナイツのお気持ち表明からはや2年、未だ毎日ログインしている、総課金額はLv120到達時点の計測で10万円くらいの微課金ドクターの私。

先日「アークナイツをパクったゲームが出たぞ!」と界隈がざわついていたので、オッなんか出たのかと片膝立てて情報を集めてみましたら、なんとコードギアスIPだったわけで。

過去に出てきたコードギアスのソシャゲってことごとくファンをガッカリさせるものだったので、コードギアスと聞いただけで「ああまたクソゲーなのかな」と思ってしまうパブロフの犬状態になってるんですが…

ギアジェネとかね…

でも、アークナイツをパクっているなら(少なくともFGOをパクるより)ゲームの部分はマシなのでは?という期待がちょっと湧いてしまいます。悲しいかなオタクは好きな作品の新作と聞くと少なからず期待しちゃう生き物なのだ。

2021年にタイムディフェンダーズ、白夜極光と、アークナイツ意識してるな〜って感じるソシャゲはいくつか出てきてたのだけど、いずれもインゲーム(バトルとか)は違うゲーム性になっていました。

なので、コードギアスももしかしたらバトルの部分は変えてくるんじゃないかと思ってたんですよね。

そしたらこれですよ。

そのまんまやないか…

ここまでアークナイツを真似てくると逆にテンションが上がっちゃいますわ。

リリース延期の話

『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』は本来、2018年に発表され、2019年冬のリリース予定で、コードギアスIPで最初のソシャゲになるはずだったのだ。

しかし2019年3月に延期を発表したので、2021/10/4リリースのギアジェネに1stの座を譲ることになってしまったのである。

ちなみにアークナイツのリリース日は中国版が2019年5月1日、グローバル版は2020年1月16日。一度企画倒れしてプロジェクトが解散となり、アークナイツのヒットを見て最初からやり直したのであれば、開発期間は長くて2年ほどだったと思われる。

コードギアスは版権をサンライズが持っているが、IPものは必ず版元のチェックが入るので、オリジナルIPよりも手間と時間がかかる傾向にある。なので、アークナイツリリース後、2年ほどで真似たゲームをリリースできたのは開発関係者の努力の賜物と言えると思う。

開始1週間で4章まで全クリア

星4ルルーシュ実装後、ルルーシュが10連一発で引けたのでスッと始められた。
リセマラしてまでやる気はなかったので、その後カレンやスザクも引けたのは運がよかったと思う。

途中サボったりもしたので実質5日くらいだけど、4章まで終わったのでよしとしたい。

良かったところ

  • 【ストーリー】撮り下ろしのフルボイス
  • 【ストーリー】Live2Dとアニメ映像組み合わせた演出
  • 【ストーリー】ギアス使用時のカットイン
  • 【システム】KMFにパイロットを”載せる”仕様
  • 【システム】アニメBGMの購入と設定ができる
  • 【システム】設定資料集として使える図鑑
  • 【バトル】スキップチケットの存在

⭕️メインストーリーが良い

撮り下ろしフルボイスとLive2Dの立ち絵、アニメ映像、ギアスカットインの組み合わせによって最高にエモい無印アニメのアナザーストーリーを鑑賞できる。ギアジェネのダメなところがほぼほぼ改善されてると言っても過言ではない。

ただし、ルルーシュが「ゼロ」として指示を出してるのにマスク被ってないとか、

セリフと立ち絵のポーズ・表情があってない、

みたいな細かい違和感はザラにある。
ので100点満点かというとそうでもないんだけど、オリキャラ入ってても違和感なく進行していくのでアニメ見たファンなら楽しめると思う。

まだ原作を知らないという人はゲームをプレイしてからアニメ見てもいいと思う。
ストーリーでよく分からないと思った部分はアニメを見れば解決されるはずだから。

⭕️KMFにパイロットを”載せる”仕様

コードギアスってサンライズが作ったロボットアニメだし、作中はロボット同士がバトっているので、ナイトメアフレーム(KMF)っていうロボットに乗った者同士が戦うってのがコードギアスのバトルだと認識してる。ので、ゲームでもそうあってほしいと望むが故に、ギアジェネは違うと思ってしまったわけで。

ロスストはというと、パイロットとKMFが別になっているので、部隊画面ではパイロットと載せるKMFをそれぞれ指定して編成を作ることができる。これがよかった。

パイロットは近接と遠隔それぞれパラメータがあり、より得意な方が数値が高く設定されているのだが、どちらの攻撃タイプのKMFにも載せることができる。当然、近接が得意なパイロットなら近接型のKMFに載せた方が強い運用ができるけど、バトルのエリアに近接を配置するマスが足りない場合は遠隔にするという手も使えるのだ。

ユニットのコストはパイロット+KMFの合計になっている。
パイロットの初期コストはレア度関係なく同じなので、コストを下げるためにコストの低いKMFに載せるというのも戦略の一つになってくる。

遠隔か近接かはKMF依存、コストはパイロットとKMFの合計という点がアークナイツと大きく差別化できている唯一の点だと思う。

現状一番強いKMFは原作でもそうであったランスロットである。パイロットを載せる仕様なので、理論上は全員ランスロットに載せることもできるってことなのだ。

⭕️アニメBGMの購入と設定ができる

有償限定になっているが、ゲームを続ける気概のある人なら買って損はないと思う。
購入したBGMはコンテンツごとに設定ができるようになっている。
もしかすると今後BGMがイベント報酬になるってことがあるかも?

⭕️スキップチケットで周回をショートカットできる

私はフルオート実装できなかったからスキップさせるしかなかったんだと思ってるんだけど、結果的に周回にはあまり時間をかけずに済むので良い仕組みだと思う。

普通にやってれば尽きるってことはない量の配布があるものの、石割って周回したい勢だと早々に尽きることもあり得る。チケットが尽きたら全て手動で周回しなければならくなるので、一転して「フルオートがない」という難点になってしまう。

⭕️設定資料集として使える図鑑

ストーリー、キャラクター、KMFが一望できる図鑑で、キャラのプロフィールやKMFの外観などが確認できるので、二次創作している人には便利そう。

ストーリー:フェーズ毎に再生ができる。連続再生機能もある

キャラクター:カード別にボイスが全て確認できる

KMF:3Dモデルとプロフィールが確認できる

悪かったところ

  • 【バトル】似たり寄ったりのステージ設計
  • 【バトル】ボス登場や必殺技で差し込まれるカットインが邪魔
  • 【バトル】低レアを使う意味がない
  • 【バトル】黒の騎士団縛りプレイが不可能
  • 【バトル】配置時に発動するスキルが死んでる
  • 【システム】同キャラが同じ部隊内に複数存在可能
  • 【UI】リザルトが遅すぎる

❌似たり寄ったりのステージ設計

どのステージも直線ルートばかりで、敵が自陣に向かってまっすぐ進んでくるだけ。

タワーディフェンスだからそれはそうなんだけど、ステージに設定されたルートが似たり寄ったりなので、敵の動きにバリエーションが乏しく、ユニットの配置がどのステージでも同じようになってしまう。

1章から4章まで5ステージ間隔で撮ってみた

各ステージに設定されているミッションも戦略を殺している。差し込みでユニットを配置してわざと攻撃を受けさせてリタイアさせたり、必要な技を使ったら即撤退するという戦法が、ミッションでリタイアや撤退数が決まっていると使いづらくなる。

これはつまり戦略の自由度が減らされるという意味である。
難易度は自陣へのルート本数と敵の違い(数と硬さ)でしかない。

それがメインストーリーだけでも88ステージあるし、素材周回用のデイリーや遠征はメインストーリーのステージと同じものがあるので、2章くらいで飽きがきてしまった。
開発期間を短くするために犠牲になったのはステージ設計だったのかもしれない。

逆に言えば、攻略に必要なユニットを1部隊分育ててしまえばどのコンテンツでも似たような手順でクリアできてしまうので、楽っちゃ楽である。
タワーディフェンスすら脳死でやりたい人には向いている。

❌ボス登場や必殺技で差し込まれるカットインが邪魔

2年前に書いたお気持ち表明でアークナイツの良さの一つとしてバトルエフェクトが地味っていうのを挙げた時に、「日本のメーカーなら立ち絵のカットインとか入れそうなのになあ…。」と書いてたんだけど、ロスストが予想通りのカットイン入れをやってくれた。
いや〜こんなバチバチに的中すると気持ちがいいもんですね!

実際プレイしてみると、最初はヌルゲーなので「カットインあるとキャラゲーらしさが増すなあ」くらいの感想だったんだけど、戦力差が開いた難易度のステージを攻略するようになるにつれ、カットインで操作が中断されるのがじわじわとストレスになっていった。

4体目の敵が守護の目の前まで来た時にスキルで3体爆破しようとした時にボスの演出が挟まってすり抜けられる、先にボスへ殲滅のスキルを当ててHP削ろうとした途端に一騎打ち演出が始まって負ける、などなど…

アークナイツだと高難易度はコマ送りのような再生スピードでタイミングをはかりつつ、ここぞ!と狙いすました一点にオペレーターのスキルをぶち込むという戦法を取ったりするのだが、そういう操作をしようとすればするほどストレスがマッハだった。

スキル発動には必ずスキル演出を見るかスキップするという一手間が加わるので、どう頑張ってもテンポが悪くなる上に、カメラ位置がパイロット視点になるので範囲内に入ったかどうかも分かりにくくなる。

スキル発動時視点

一応演出を簡易化するという設定があるものの、アニメーション短縮の意味でしかないので、どうせスキップボタンを押すのであれば、視点変更も演出も出さないようにしたほうが操作性は良くなると思った。

❌低レアを使う意味がない

ロスストのレアリティは最低が1で最高が4となっている。コストの概念があるゲームというのは基本的にレアリティが低いほどコストが低く設定されているものである。

前述のKMFに載せる仕様のところで書いたように、ユニットのコストはパイロット+KMFの合計なのだが、初期状態だとパイロットのコストはレアリティに関わらず一律同じ値になっている。

星4の突撃スザクと星1の突撃玉城はどちらも初期状態のコストが6である。スザクはランスロットに乗っている分コストが5高くなるのだが、他のKMFに載せ替えれば下げることができる。覚醒で3、レベルで1、育成によって合計でコストが4下がるため、最終形のコストは2となる。

アークナイツの場合は初期状態でレアリティに比例してコストが高くなっていて、凸によってコストが最大2下げられる。最高レアの星5先鋒(突撃)シージで14、下位互換である星3のフェンは11、初期状態で3のコスト差がある。星3は無料ガチャで凸しやすいので早い段階でフェンのコストは9になり、無凸シージとのコスト差は最大5になる。このコストの差を埋めることはできない。

ロスストでコストを下げるには凸だけでなく覚醒とレベリングも必要なので、当然低レアの方が育成難易度は低くなる。しかし、高レアよりは素材が少なくて済むとはいえ、リソースを費やして育成しても性能は低レアのそれでしかない。コスト2になった玉城でしか見えない景色もあるのだろうけど、そこまで育てて検証する気が起きなかった。

陣営縛りや低レア縛りをするつもりがないのであれば、最初は陣営問わず優秀な性能の星2以上のキャラを育成するのが無難だと思う。

❌黒の騎士団縛りプレイが不可能

最初の10連で運良く新実装された星4ルルーシュが引けたので、よーし黒の騎士団縛りするか〜というオタク意識が働いて、最初は黒の騎士団キャラだけ育成していた。しかし現段階だと1〜2パターンしかないキャラがほとんどなので、難易度が上がるにつれて必要になるユニットが不足してしまい、黒の騎士団陣営だけの編成を維持することができなくなってしまった。

基本的に全てのパイロットタイプは2体ずつ育てた方がいいけれども、黒の騎士団だと突撃は玉城しかいないのである。星1なこともあってコスト回復が死ぬほど間に合わないので、玉城だけではゲームにならない。早々にジェレミアを入れることになったし、難易度が上がれば上がるにつれ火力も不足してスザクを入れた。

敵味方ちゃんぽんはキャラゲーあるあるだとはいえ、主人公が指揮した黒の騎士団縛りプレイができるように設計されてないのはとても残念だった。
前述の低レア使う意味ない問題や配置時発動スキルが死んでる問題もあり、星2以上が充実するまで黒の騎士団縛りプレイはお勧めできない。

ストーリーのチュートリアルバトルで敵対している陣営のキャラが編成されるのも違和感があるんだよなあ…

4章のチュートリアルバトル編成

❌配置時に発動するスキルが死んでる

そもそも論として、コストの需要と供給のバランスが悪いのだと思う。
時間回復量も突撃で回復できる量も足りてない上に、ユニットを撤退した時コストが返却されないので、突撃タイプを最初に3体出してもコストが不足している状況で、配置時に発動するスキルを使うために出して撤退を繰り返すと、他に必要なユニットが出せずに敗戦してしまう。

星4ルルーシュのスキルは範囲内の敵全体に40%の割合攻撃と、出陣中の黒の騎士団全員の攻撃力を25%上げるものだが、回復するコストと配置に必要なコストが同じ状況のバトルでは撤退するとコストが不足するので出しっぱなしになってしまい、スキルを活用することができない。

さらに、ステージによっては、最大撤退数が3回までとミッションで決められている場合がある。これもまた配置時スキル持ちのユニットを殺し、戦略を減らしている要因の一つだと思う。

❌リザルトが遅すぎる

これはもう各所で非難されているが、なんでこんなにもっさりしたままリリースしたのか理解不能なレベルで酷い。リリース前には必ず社内テストプレイをしてると思うが、その段階で誰も文句を言わなかったのかな。

最後に出るOKボタンを押させる仕様も不要だと思う。
アークナイツは画面タップで全て飛ばせるのに、なんでそこは真似しなかったの?

🔺同キャラが同じ部隊内に複数存在可能

キャラゲーはキャラクターが個々に存在するタイプと、絵柄などで無限に水増しされるタイプのものがある。ロスストは後者である。

私が現在継続しているゲームは全て前者なので、おまかせ編成をポチって守護のカレンと殲滅のカレンが設定された時にものすごい違和感を感じてしまった。

推し艦隊を作りたいタイプの人には嬉しい仕様だと思う。まだどのキャラも艦隊を作れるほど種類が出てないが、時間が経てば染め上げることができるかもしれない。

総評:アークナイツの良さを再認識できるゲーム

これまで不遇だったコードギアスIPとしてはまともな仕上がりにはなっているんだけど、タワーディフェンスゲームとして見るとステージ周りがしょぼすぎると思った。
設計、難易度、グラフィック、全てにおいて劣化感がありすぎる。

KMFに載せるというコードギアスにしかできない強みがあっても、ステージが面白くないと死んでしまうのだ。悲しいなあ…。
こんなに真似するのであれば、第五人格がそうであったように、ハイパーグリフに開発協力して貰えば良かったのに…と思わざるを得ない。

私としてはこの体験のおかげでアークナイツの良さが再認識できたので、遊んで損はなかったと思っている。

コードギアスのタワーディフェンスが楽しいと思えた人はドクターの素質があるので、アークナイツをお勧めしますぞ。

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